« フランス 対 アルゼンチン 12-17(9-17) プール D (於パリ市役所前広場) | トップページ | ウェールズ 対 カナダ 42-17(9-12) プール B »

2007年9月 9日 (日)

日本 対 オーストラリア 3-91(3-23) プール B

 パリは久しぶりの夏日、リヨンもきっと暑かったことだろう。そのなかでジャパンは本当によくやったと思う。かつて自軍の後半のプレーぶりに我を忘れたある監督は思わず「後半もその調子で行け」と檄を飛ばしたという。方向は逆だがわたくしも同じように思った。「前半で終わりならどんなによいだろう!」と。Hotel_de_ville_paris
 準決勝対オールブラックス戦、というわけではないのだから死に物狂いになるはずはないにせよ、ワラビーズは手を抜きはしなかった――と思いたい。だが後半に入り、ワラビーたちが体格に物を言わせてガツガツを当たりにくるようになったとき――一方でそれは屈辱以外の何ものでもなく誰に対してかはわからぬものの無性に腹が立ったのだが他方で――これは「本当の本気」ではないと感じずにはいられなかった。ブラックスやボクス、あるいはフランス相手にワラビーズがガツガツと正面から当たりに来るだろうか。そのような場合、彼らは必ず少しずらし気味に当たって何とかボールを活かそうとするはずなのだ。なぜなら、ラグビーとは、スクラムやモールなどごく限られた局面は別とすれば、ぶつかり合いというよりむしろかわし合いだからである。もろにぶつかれば痛いに決まっているが、それを敢えて選んだ点でやはりワラビーズは手を抜いたといわざるをえない。
 とはいえ、ジャパンのタックル「ミス」を指弾するのは酷だろう。大雑把には 130 のタックル機会に対し成功率七割台、すなわち 30 から 40 のタックル失敗があったわけだが、それらの大半は失トライ 13 と相関関係にある。それぞれの「ミス」が致命的であったのは確かだ。しかし何といっても体格差・体力差は厳然と存在しており、後半の後半に入って二人でタックルに行くという決め事もままならなくなり、個々のタックルの精度も落ちてくるまでは、それでもよくやったと思う。いうべきことがあるとすればそれは要するに、「ジャパンは体格で劣るから仕方ない」という同情――「言い訳」ではない、プレーヤーはそんなことは全く考えもしないはずだ――の余地を残している点で、まだ努力が足りないということだ(本稿も敢えてそうした「同情」を記してみた)。
 そう言わせない為に何をすべきか。答えのひとつが前半の戦い方なのだろう。とにかくタックルを精確に決めつつ、小野のキックで敵陣深くに入る一方で、弥富と、スクラムから敢えて遠く離れた小野、それぞれのロングパスを多用して外に早めにボールを回す。実際、ハーフバックスのパスそのものはとてもよかった。だが、センターの段階ですでにスペースはなくなっているのは何故か。ワラビーズのディフェンス・ラインが今日はほとんどラッシュをかけていなかったことと併せて考えられるべきだろう。前半のミスらしいミスは、ラーカムからリターンパスを受けたエルサムの突破を簡単に許し、そのままトライまでもって行かれた主将佐々木くらいだった。
 ハーフタイムを挟んで相手チームが戦い方を修正してくるのに対し、ジャパンが無修正のまま後半に臨むのはいつものことである。体格差で同情をもらわない為には、別の戦い方も必要となってくるだろう。今後の修正力に期待している。
 前後半通じての攻撃のミスは、ほとんどが相手ボールになりトライに結びつくことも多かったハイパント。チェースやフォローのシステムをある程度全員に浸透させないなら、やらない方がよいように思う。
 メンバーについては、「代役」の二人、とくに北川は攻守で光ったように思う。久住は無用なハイパントがひとつあったもののまずまず。

 ともあれ、最初のフィフティーンが死力を尽くしたのは間違いない。もうひとつのフィフティーンも同程度にはやれるはずだし、楽しみにしています。

|

« フランス 対 アルゼンチン 12-17(9-17) プール D (於パリ市役所前広場) | トップページ | ウェールズ 対 カナダ 42-17(9-12) プール B »

ラグビー」カテゴリの記事

ラグビー ワールドカップ 2007」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本 対 オーストラリア 3-91(3-23) プール B:

« フランス 対 アルゼンチン 12-17(9-17) プール D (於パリ市役所前広場) | トップページ | ウェールズ 対 カナダ 42-17(9-12) プール B »