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2007年12月10日 (月)

ハイネケン・カップ プール第三節

 週末にフランス 2 でハイネケンカップの二試合を観戦する。昨日は「ライスター・タイガーズ対トゥールーズ」、今日は「スタッド・フランセ対カーディフ・ブルーズ」、フランスのトップ・クラブがイングランドとウェールズのクラブと戦うという組合せである(ちなみに今週一番のゲーム「ワスプス対クレルモン」はカナルプリュスでの放映)。

 思えばワールドカップ終盤は静電気がバリバリ発生するほど寒かったものだが、いつの間にか 10-15 度の間で気温は安定している。その代わり天候はきわめて不順で、ほぼ毎日雨が降る。この土曜のマッチも雨に降られコンディションはかなり悪い。その分ハンドリング・エラーも少なくなかったが、ゲームとしてはとても面白かった。最終スコアだけでなく、得点経過も含め W 杯準決勝のイングランド対フランスにそっくりである点は興味深い。FW 戦ではスクラム・ラインアウト、それにニャンガの突破以外では劣勢だったものの、スタッド・トゥールーザンの 11 番以下はそのままフランス代表の一本目であり(CTB フリッツは W 杯に出場していないが)、とくにパス交換を主体としたミッドフィールドでの連携プレーはワクワクさせるものだった。惜しまれるのは「仕留め」の段階で必ずミスが出た点である。また W 杯の時と同じだが、一時防御突破後のサポートがほとんどない点を改善しなければ、イングランド相手には今後もトライを取れないことになるだろう。

 新人 SO クーランはまずまず良かった。トゥールーズでプレーするということはすなわちレ・ブルーでプレーするということなのだから、厳しいゲームの中でよい経験を積んで欲しいと思う。同様に「新人」である SH ケラハーは獲得した意味がそもそも分からない。戦術的なキックも含めエリッサルドの方が上に思えるし、世代交代を見据えて生え抜きの若い選手を起用した方がよいのでないか。FL ニャンガの突進は見応えがある。デビュー時は身体もずいぶん細かったように思うがいつの間にか筋肉が付き、スピードも加速力も大幅に向上している。第三列としては世界トップレベルの突破力といってよいだろう。ニャンガとデュソトワールのポジションは逆も見てみたい気がする。
 ライスターの方は降雨のためもあり、トゥールーズが再三試みたような長いパスは抑え、短いパスをつなぎつつ抜いてゆくという攻め方をした。FW の集散では相手をかなり上回り、またディフェンスが完全に崩れることはなかったため、ミスをついて奪ったトライプラス PG 三本で逃げ切ることとなった。この試合がデビューとなる注目のアーロン・メイジャーは 12 番で先発。初めのうちはゲームに入り込めていないようにも見受けられたが、まあ最初の試合としては良かったのではないだろうか。残り 10 分(?)くらいのところでランベニに交代、フィジアンは逃げ切り態勢の中、タックルで頑張った。初めて見た選手だが SH の二人はパスも動きもよかった。交代出場したヤングズはまだ十七歳だそうで、小柄だが前が良く見えているのだろう、何度もディフェンスのギャップをついて FW のドライブに弾みをつけていた。順調に伸びて欲しいプレーヤーである。
 トゥールーズが 6 組の首位、勝ち点 1 の差でライスター・タイガーズが二位につけている。

 日曜のマッチは地元パリなので見に行くことも考えたが、今日は最初から雨天なので結局断念した。
 今季初登場の J・M・エルナンデスとニッキー・ロビンソンという両チームの SO が前半早々に負傷退場、雨脚は強まるばかりという状況で、FW のピック&ゴーとキックが主体のゲームとなった。とりわけカーディフの方はまさに「10 メン・ラグビー」全開で退屈した。左プロップの G・ジェンキンスが対面のドゥ=ヴィリエに引けをとらず、押し勝つ場面さえあったのが唯一の見所だったかもしれない。2 組のオスプリーズがブルゴワンに快勝し、勝ち抜けの可能性を残したが(現在二位)、ウェールズの他のクラブは苦しくなった。
 スタッド・フランセの方も、エルナンデスが退いてからはパスプレーが見られなくなり、似たようなゲーム運びとなったけれど、ディフェンスで辛うじてまさったというところである。ノートライながらもこの勝利でブルーズを順位で上回り二位に浮上した。ただし、ワスプス、クレルモン、ビアリッツ、オスプリーズなどとの間で二位からの勝ち抜けを争うことになった場合、このままではかなりの劣勢が予想される。

 それにしても、エルナンデスの足の長さはリュグビーメン離れしている。一般に足の長いアフリカ系で 10 番を務めるプレーヤーがそもそもあまり見られないせいか、エルナンデスのプレースキックの際のフォームにはかなり違和感をもった。もちろん否定的な意味は全くない。重心の位置がまずふつうと異なってくるだろうし、単純に、長さゆえ足のスイングのみでかなりの距離が出てしまうということもあって、身体全体を――たとえばウィルキンソンのように――しならせて力をボールにぶつける必要がないことから、必然的に一風変わったフォームとなる。別の観点からいえば、身体を傾がせて蹴るのが難しいために足首以下の使い方によって(のみ)蹴り分ける必要があるということになるだろうか。とにかく面白いプレーヤーである。

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