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2008年1月23日 (水)

フランス代表 2008 年エディション

 シックスネーションズに向けたフランス代表が選ばれた。今回発表されたのは緒戦となるスコットランド戦に臨むメンバー 22 名であるが、W 杯直後であり、新監督 M・リエヴルモン最初のゲームでもあるなど、さまざまな点からして実験的意味合いが強く、会期中にスタメンどころか控えの人員も入れ替わる可能性はあると見られる。

 代表初選出の 6 名については何も知らないのでわたくしとしては楽しみに待つほかない。サプライズと受け止められているプレーヤーもいるようだが、ともかくそれが嬉しい驚きとなることを願っている。
 復帰メンバーの 5 名のうち、F・フリッツや W・セルヴァ(ット)の選出は当然だが、一方でウェブ版『レキップ』紙の見出し「新選出6名、シャバルはいない」が語るように、S・シャバルの落選はある程度の驚きをもって受け止められているようである。しかし昨年初めてシャバルを知ったような人はとりあえず措いて、B・ラポルトに嫌われる(?)など不遇な時代におそらくはピークを迎えてしまった人――控えで登場し強烈なタックルをぶちかましたシーンはよく覚えているけれども
――というのが客観的な評価としてあるのかもしれない。
 あるいは、シャバルのコンディションは不変だとしても、『レキップ』の相談役 L・ベネゼック(ベネゼッシュ)もいうように、まずは器用な(プレーの幅の広い)選手を優先させたチーム編成に合わなかっただけともいえる。
 いずれにせよ今シーズンの E・ヴェルムレン(クレルモン)の働きが、より強い印象を残したのは確実である。第三列では「現在のところ彼がベストのプレーヤー」とリエヴルモンは説明している。J・ボネールとの併用が上手く行っていることも大きいだろう。オリヴィエ・マーニュが去り、セルジュ・ベッツェンもとうとう去ってしまった。感慨深いけれども、新たな三列のトリオが最終的にどのようなプレーを見せてくれるか実に楽しみである。

 10 番は、F・ミシャラクがしばらく代表を休養してスーパー 14 に専念し、L・ボクシスも負傷ということなので、これはもう D・スクレラしかいないようだ(「控えで云々」と恥ずかしいことを書いてしまったが面倒なので訂正はしない)。なお Y・ジョジオンも負傷中である。

 W 杯時の「ラポルト批判」にもつながってくるが、「型にはまった」(stéréotypé)プレーではなく、もっと「自由な」(ouvert)プレーのための人選とベネゼックはいっている。「ボールを積極的に動かしてフィールドに混乱状況を造り出そうとする意志」がこのチーム編成には認められると。

そのことはいくつかの選出を見れば歴然としている。たとえばセドリック・エマンスのフルバック起用、あるいはフロリアン・フリッツの復帰、互いに〔タイプが異なるので足りない部分を〕補い合いながらプレーにダイナミズムを与えることのできる三列の選出などがそうだ。〔レミ・デュシュマンによるインタビュー〕

事実、プレーのあり方として何を優先するか問われたリエヴルモンは「われわれは不十分より過剰の方が好ましいとどこかで考えているところがある〔「及ばざる」より「過ぎたる」方が望ましい〕。だから選手たちには、自発的にその方向でプレーするよう奨励するつもりだ。各マッチごとの戦略的・戦術的側面はたぶんその次の段階の話になる」と答えている(エメリック・マルシャルによるインタビュー)。

Avants : Julien Brugnaut (Dax), Lionel Faure (Sale), Jean-Baptiste Poux (Stade toulousain), William Servat (Stade toulousain), Dimitri Szarzewski (Stade français), Loïc Jacquet (Clermont), Lionel Nallet (Castres, cap), Arnaud Mela (Albi), Julien Bonnaire (Clermont), Thierry Dusautoir (Stade toulousain), Fulgence Ouedraogo (Montpellier), Elvis Vermeulen (Clermont)

Arrières : Jean-Baptiste Élissalde (Toulouse), Morgan Parra (Bourgoin), David Skrela (Stade français), François Trinh-Duc (Montpellier), Florian Fritz (Stade toulousain), Damien Traille (Biarritz), Vincent Clerc (Stade toulousain), Cédric Heymans (Stade toulousain), Julien Malzieu (Clermont), Aurélien Rougerie (Clermont)

Soit:
6 nouveaux:  Brugnault, Faure, Parra, Mela, Trinh-Duc, Malzieu
11 rescapés du Mondial:  Poux, Szarzewski, Nallet, Bonnaire, Dusuatoir, Élissalde, Skrela, Traille, Clerc, Heymans, Rougerie
5 revenants:  Servat, Vermeulen, Jacquet, Oudraogo, Fritz

〔付記 『レキップ』紙の記事はいずれも 1 月 22 日付のもの。〕

〔追記 先発フィフティーンが発表された。最大の「実験」としてスタンドオフに新人フランソワ・トラン=デュックが選ばれている(つまりスクレラは結局控えスタートとなる)。非常に楽しみだが、初戦がスコットランドというのはレ・ブルーにとっては最も都合の好い日程といえるかもしれない。きわどい戦い方になる可能性は大きいけれどもいずれにせよ勝利を見込める相手という意味において。イタリアとはやはり差が大きいし、逆にイングランド相手ではそうした余裕はもちようがないだろうからだ。それは第一列の人選、HO セルヴァットを挟んでスクラムを支えることになる両PR がいずれも新人(J・ブリュニョーとL・フォール)になったことに関してもいえる。むろんプクスの負傷が直接の原因ではあるが、「どれだけやれるか」を見極めようという余裕をもちうるという点では結局同じことである。J・ボネールの代りに F・ウドラオゴ(?)の 6 番起用についてもやはり同じことがいえるだろう。
 
他方、バックスではF・フリッツが練習中の骨折により大会をリタイアせざるをえなくなった。代替プレーヤーは木曜に発表されるとのことで、スクレラを SO と CTB 両方の控えとしてベンチに温存するなら、CTB のプレーヤーが選出されることになるだろう。いずれにしても戦力的にはかなりの痛手となる。〕

〔追記 2 テレビ出演の際のプレゼンターの発音によれば、ローラン・「ベネゼッシュ」のようである。他方、ベネゼッシュ氏はFB のアントニー・「フロック」と発音しており、これは試合の生中継時の実況アナの発音「フロッシュ」と齟齬がある。LB 氏自身、南部の「訛り」をもつ人だが、要するにどちらでも構わないということだ。〕

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