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2008年3月15日 (土)

6 ネイションズ 最終節にむけて

 やはり贔屓のチームの調子が好いと観戦にもいっそう力が入る。

 ウェールズはとにかく勝ちさえすればグランドスラム達成となる。対してフランスは 20 点差以上をつけて勝つか、より多くのトライを取ったうえで 19 点差をつけて勝つかしなければならない(現時点で両チームとも 11 トライ)。他方、世界ランキングのさらなる上昇を視野に入れるなら、ウェールズは 16 点差以上で勝たないとフランスを逆転できない(現在フランス 6 位、ウェールズ 7 位、イングランドがしぶとく 5 位に踏みとどまっている)。
 世界ランキングそれ自体に価値を見出す人はあまりいないと思うが、W 杯次回大会のプール戦グループ分けがこのランキングに従って行なわれるのでないがしろにはできない。ちなみにアイルランドが 16 点差以上をつけてイングランドに勝てば(両者の現時点でのポイント差から)、ウェールズが同様に 16 点差以上で勝った場合、イングランド 5 位、アイルランド 6 位、ウェールズ 7 位、フランス 8 位(仏が勝った場合は 7・8 位は逆になる、ちなみに仏は 7 位以下は未経験)となるらしい。

 ラグビープラネットは「4 点差でフランス勝利」と予想している。つまりこのマッチはフランスがものにするけれども、シックスネイションズ優勝はウェールズのものというわけだ。根拠は、15 のポジションのうち九つでフランスのプレーヤーの方が優位にあるからとのこと。その点は何ともいえないし、このマッチ自体、いずれが勝ってもおかしくないといえる一方で、フランスが例えば勝つ可能性のある南アフリカやニュージーランドにウェールズが勝利を収めるところはやはり想像できないという点が面白い。

 ともかく、よほどのことがない限り、大差とはならないだろう。だからこそウォーレン・ギャットランドは SO にジェームズ・フックを起用したのだと思う。これまでの起用法を振り返ればわかると思うが、ウェールズの二人の SO の間に正副の格差はない。イングランド戦でフックが見せた天才的な身のこなしはスティーヴン・ジョーンズには望めないとしても、ラインを動かすという点で違いはないし、他方フックはブリッツやインターセプトを食らう可能性が依然高いのに対し、ジョーンズが例えばギャップをついてブレークする場面をわれわれは何度も目にしている。明らかな相違があるとすればプレースキックの成功率くらいだろう。
 つまり、フックでガンガン攻めるぞというメッセージを一方で発信しつつ、PG での得点の積み重ねをもギャットランドは視野に入れているということだ。しかもジョーンズが「切り札」というか、野球でいう「クローザー」として控えている。W 杯があんなに悲惨な結果に終わったというのにウェールズは、このポジションに限っていうと世代交代が上手く行きそうな気配である(あるいは、ウェールズは 22人で試合に臨むという体制をいち早く整えたといってもよい)。

 フランスは SO にダヴィッド・スクレラを先発させる。これは経験からいって妥当だろう。ただし、スクレラにまさかイングランド的ゲームメークが期待されているわけではないだろうけれど、こういうマッチこそ、トラン=デュック(やミシャラク)で戦わなければ、本当の意味で将来を見据えたことにはならないのではないかと、やや疑問に思わぬでもない。実験を続けながらの編成だから、けちをつけても意味は無いにせよ、スクレラ-トライユ-ジョジオンのフロントスリーであと何年やれるのだろう?

 FB は前回のイタリア戦でよい動きを見せたアントニー・フロッシュ(フロック)が引き続き務めることになる。エマンス-クレールのコンビネーションは、見られるとすれば後半以降ということだろうか。ポリヴァレントなセドリック・エマンスが控えに回るのはある意味で当然ともいえるが、他方、イタリア戦の「オム・デュ・マッチ」であるオレリアン・ルージュリーは 22人から漏れてしまった。
 真相はわからないけれど、そのイタリア戦でのフランスの一本目のトライ、フランソワ・トラン=デュックからのライン際への高さのあるキックパスを空中でキャッチし、内に返す形で、走り込むフロッシュにパスを成功させたジュリアン・マルジウの器用さが評価された可能性はある。このプレーはそもそもW 杯時から練習されていたもので、大会では、やはり器用なジュリアン・ボネールがヴァンサン・クレールとの間でコンビネーションを成功させたのだが(あの時はもっとバレーボールに近いアクロバットだった)、エルナンデスのハイパントと同様に上方へのスペース創造として評価さるべきこのサインプレーは、シェーン・ウィリアムズのいる側で試されるかもしれない。
 思い返せばルージュリーは、2005 年の試合では体格を活かして対面の S・ウィリアムズを押し込む形でトライを奪ったのだが(前半)、後半はそのウィリアムズのステップに完全に翻弄されて失トライの原因ともなったのだった。思い切りよい彼のカウンターアタックは見ていて気持よいけれど、ディフェンスが特に向上したようには思われない。ウィリアムズがコンタクトにも強くなり、おそらくスピードや切れもさらに上がっていることからすると、この落選は仕方あるまい。

 その 2005年の対戦は、前半フランスが気持よく攻めて 2 トライを奪ったものの、後半の前半にウェールズが突如反撃し、2 トライをあげて逆転、その後は互いに PG や DG を追加するなか、フランスがトライを狙って攻めるのをウェールズが何とか守りきったという試合である。つまり、ディフェンスとプレースキックの精確さが鍵だったわけで、明日のゲームも、ボールが動くことを期待するが――ともに一試合平均 3 トライ弱だから、2 トライは十分予想しうる――、勝敗を分けるのは案外そうしたところかもしれない。

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