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2008年4月12日 (土)

タンプル界隈・補遺

 前のエントリで大切なことをいい忘れていた。
 映画『秋の庭』(日本公開タイトル『ここに幸あり』)でタンプル界隈が出てくるときは、実はいつも曇り空だった。空自体が映し出されるのではないけれども、光の具合からして、「薄曇り」に近い天候であると推察できたのである。
 しかし、決して光度が減らされて(ないし奪われて)曇っているというのではなかった。むしろ光は、「中心」たる光源を欠いたことによって、ほとんど均一的な仕方で遍在するようになり、あらゆる人、あらゆる通に区別なく注がれているかのようだった。マルセル・プルーストがコンブレ・サン=チレール教会のグリザイユ様式ステンドグラスについて述べたような、曇っているがゆえにかえって明るく感じられるというようなことが本当に――映画だが――あるわけだ。秋だから、ということも忘れてはならないだろうけれど、ウィリアム・リュプチャンスキの撮影がやはり素晴らしかった。

 パリは寒の戻りから解放されて本格的な春日和となっている。陽だまりでは 20 度にもなる。終日晴れ渡るわけではなく、明るいグリザイユのような空気を通してのみ太陽光線が感じられる時間帯もまだまだ多いけれど、気分はそれでもすでにサンバやボサノバである。
 わざとらしくボサなどに言及してみたのは、ブラジル音楽のよき案内者として知られる(わたくしもむろんお世話になった)岩切直樹さんのブログ(「三月の水」)を発見したからである。もちろん発見というのはあくまでわたくし個人がということであって、御著書同様すでに広く知られていたに違いない。

 しかも素晴らしいことに――といって差し支えなかろう――岩切さんはなんとラグビー愛好者で、ラグビーのために別にブログをおもちだった。
 一番最近のエントリー、村田亙引退試合の観戦記は「しかし、淋しくなってしまうのも事実です。あとは松田努と廣瀬佳司と伊藤剛臣が1年でも長くプレイしてくれることを望むしかありません。」と締めくくられている。ちょっとだけ泣きそうになった。吉田義人の引退試合にあたる全早慶明(これは自分で見に行った)とはまた違った会場の雰囲気だったのだろう。

 ここで素朴な要望を表明することが許されるならば、岩切さんにはぜひブラジル・ラグビーについてのレポートをお願いしたいものである。とはいえ彼の国はとにかく広いからなあ。それにラグビーをやっているのがどういう人たちかも全然わからないし。でもこの方ほどの適任は他に考えられない。

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