« トンガ 対 日本 プール A | トップページ | アルゼンチン 対 スコットランド プール B /フィジー 対 サモア プール D »

2011年9月24日 (土)

ニュージーランド 対 フランス グループ A

 ニッフォンをとりあえず見限ってしまうと、ワールドカップというのは純粋に祭り、祝祭となって、それはそれで結構なことだと思う。で、そうすると、ついこの間トライネーションズがあったばかりだから、決勝でニュージーランド対オーストラリア(もしくは南アフリカ)の試合など見たいとは思わない。実際、アイルランドがワラビーズに勝ったことで、そうした組合せの実現可能性は低くなった。わたくしは「北対南」という構図にはこだわらないが、それはそのような考え方ではアルゼンチンや日本の立場をうまく説明できないからであり、また実のところ、この構造こそエスタブリッシュメントにほかならないからである。シックス・ネーションズ対トライネーションズも「南北」の手合わせといえぬこともないが、トライネーションズだけの決勝よりはいい。

 今日はグループステージ最大の試合といってよいだろうオールブラックス対フランス戦。
 フランスの調子はパッとしないが、それはまあ過去の大会でも見られたことだ。それにグループ戦では NZ に手の内をすべて見せるつもりはないだろう。本番はノックアウトステージなのだから。
 また(アイルランド対オーストラリア戦の結果を承けた)組合せからいっても、グループ A 二位通過の方が決勝進出には有利な塩梅となってきたということもある。それはしかし、意図的に負けるということではない。

 レ・ブルーのメンバーは次の通り。

    プクス スザルゼウスキー デュカルコン
          ナレ パペ
       デュソトワール ボネール
          ピカモール

          ヤシュヴィリ
            パラ

   メダール メルモーズ ルージュリー クレール
           トライユ

    (控え セルヴァ(ット)、バルセラ、ピエール、アリノルドキ、トラン=デュック、エステバネーズ、エマンス)

 このメンバーにNZ のプレスは「二本目を出しやがって」と憤慨したりしているそうだが、そうですねえ、15 人ではなく、22 人で戦うと思えば、先発メンバーだけを云々しても仕方ないし、実のところ、今回のフランスで「鉄板」といえるのはデュソトワールとクレールくらいのものだろう(一列は現代では途中交代が前提だから、一本目か二本目かというのはあまり意味がないと思う)。自ら仕掛けることの多いトラン=デュックではなく、パラをもってきたことを「ダブル・ハーフ」戦術と解するなら、ラックをできるだけ避けて展開プレー中心にするか、ラックを中心にするかのいずれかということになるだろうけれど、フランスのスクラムハーフには、専任タイプ(ヤシュヴィリやミニョニ)ばかりでなく、スタンドオフ兼任タイプもいる点を忘れてはならない。ミシャラク、エリサルドがそうだった。
 ……とか何とか。

            *

 ニュージーランド 対 フランス 37-17(19-3) トライ数 5-2

 これもある意味ではひどいゲームといえるかもしれない。開始から10分ほどまではフランスが圧倒的に攻めた。トライなり DG なりを決める機会も数度あったはずだが、無得点のまま NZ の逆襲が始まってしまい、20 分くらいまでに 3 トライ。後半は、50 分過ぎにメルモーズのインターセプトからのトライはあったものの、残り 10 分くらいの時間帯に攻め込んだ(トライ)ほかは見せ場もなく、印象としては完敗だった。一時は 60 点取られるのではとさえ感じられたが、何とか落ち着かせたというところだろうか。

 モチベーションの上がらぬ試合ではこんなものなのだろうけど、ファーストタックルが甘く、敵一人に対して二人でも止められない、ラインディフェンスにすぐ穴ができてしまうなど、防禦はさんざんな出来だった。オールブラックスのメンバーはみな前がよく見えていて、ほんの少しのギャップも見逃すことはなかったし、また目立ったギャップや数的優位がなくとも、FW が並んだ辺りに積極的に仕掛けるなどして、割と簡単にブレークしていた。
 よく見えているという意味では、オールブラックスはフランスの展開プレーをほとんど見切ってもいた。事故のような形で突然に混乱が生じでもしないと、ラインブレークは難しかったと思う。
 スクラムは若干オールブラックスが優位に立っていた。マコウとトムソンが入れ替わっていることがあったけれども、あれはどういう意味があったのだろうか。

 ひどいゲームではあったが、フランスのこすさ、ちょっとした機転、ハーフバックスのキックが連続でチャージされたり(前半)、コンラッド・スミスに両足を抱えられたアリノルドキが倒れず立ったまま押し下げられたり、といった場面でわたくしは声を上げて笑ってしまった。まあ何というか、フランスは違うロジックで動いてるよねと、世界中が―― 99 年や 07 年の対戦を少しばかり思い出しながら――感じたことだろう。
 実際、攻守ともにここまで上手く運んでしまうと、わたくしがもし NZ 人だったら逆に不安を感じてしまうかもしれない。レ・ブルーは、控え選手は全員出場させたものの、必勝のスペシャル・プレーなどは見せずに済ませたともいえるわけで、次の対戦(があるとしての話だが
)は全く違った様相を呈すことになるだろう。

|

« トンガ 対 日本 プール A | トップページ | アルゼンチン 対 スコットランド プール B /フィジー 対 サモア プール D »

ラグビー」カテゴリの記事

ラグビー ワールドカップ 2011」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ニュージーランド 対 フランス グループ A:

« トンガ 対 日本 プール A | トップページ | アルゼンチン 対 スコットランド プール B /フィジー 対 サモア プール D »