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2011年9月16日 (金)

ニュージーランド 対 日本 プール A

 ニュージーランド 対 日本 83-7(38-0) トライ数 13-1

 ウェブサイト「プラネット・ラグビー」が予想スコアを「50 点差」とした――ということは伝統的なテストマッチのイメージからすれば「ミス・マッチ」であることが確約された――試合。ジャパンの得点は最大に見積もって 20 点(トライ 2・コンバージョン 2・ペナルティ 2)だから、オールブラックスに 60-80 点を奪われるであろうことが予想された。このようなゲームに臨む観客としてのおのれの心境がいかなるものかを分析することは避けて、なかば義務のように見てしまったが、十六年前と比べて差が縮まったのか、正直なところ何ともいえない。NZ が本当の本気で戦ったとは思えないからだ。

 とにかく惨敗なので、感想もあまりないけれど、オールブラックス側の負傷者ゼロというのが唯一よかった点だろうか。2007 年大会のアルゼンチン代表について中尾さんの仰る「空気を読まない田舎者」というのは、例えばこういう試合で相手に怪我を負わせてしまうような所業に対してこそ用いられるべきで(2002 年のサッカー W 杯直前の親善試合でジダンを「壊した」韓国代表とか)、勝敗に対してその種のことを云々するとおかしな話になってしまう。
 怪我人が出なかったのには他にもちろん、NZ 側が100 %真剣ではなかったからという理由もあるだろう。対照的なのが足首を痛めて退場した今村で、ギリギリのところで無理な体勢からパスを試みたために気の毒なことになってしまった。

 期待通りのプレーが出来た選手は、川俣、青木、藤田、湯原、大野、谷口、リーチ、日和佐、小野澤、トゥプアイレイ、ウェブ。
 「期待通り」というのは、これくらいは最低限出来るであろう水準に達したというだけのことで、それを上回ったというわけではない。たとえば小野澤のインターセプト→トライは(前回大会でもあったという意味で)期待通りのプレーだったが、その直後の、ショートパントを拾った SBW からノヌーにつながれたトライの第一の責任は、対面なのに競ろうとしなかった小野澤の判断ミスに帰せられるべきだよね。
 最後まであきらめず相手に追い縋り食らいついたリーチは――これくらいはやると皆思っていたけれどもやはり――立派だった。

 反対に期待を下回った(つまり最低限の仕事もできなかった)のは、畠山、北川、菊谷、バツベイ、ウィリアムス、今村、平、宇薄、上田。
 今村もリーチのように敵を最後まで追いかけたところはよかったが、ノッコンでチャンスを潰えさせたのにはガッカリしました。いずれにせよ、変なポジションを割り当てられるなど、もてる能力を十分に活用されずにいるのはもったいないし、不幸なことだ。この人は本来 WTB だと思うのだが、大学時代にアウトサイド CTB で成功してしまったからなあ。今となってはどうでもよいが、同じ大学の山下大吾も一年生時のWTB が一番適性があったのでは?
 ウィリアムスはそつなくこなしていたと思うけれど、キックパスを二本ともミスしたのはいただけない。たぶん、このプレーでトライを一本は確実に奪うという作戦だったはずだから。
 畠山の背中を通すパスは、自分が前に進んでいるわけだから、物理(要するに自然の摂理)に従えば、腕のスイングの方向からして球が前に行くだろうことは簡単に推測できるはず。早大卒、というか大卒の肩書が泣くよ。あそこは自らターンしてボールを丁寧に扱うべきだった。
 菊谷は、フランス戦で妙に自信をもってしまったのか、今日のプレーはまったく緩慢で、もちこんだボールを上手く出せないなど、いいところがほとんどなかった。突っ込んでゆくときのスピードが全然足りなかったと、たんに技術的に語ってもよいだろうが、ともかく今日のゲームの教訓を活かせなければ、トンガ戦ではむしろ穴として狙われるだろう。

 前回大会のオーストラリア戦では、ワラビーズは身体をずらすといった配慮さえ見せず、力任せに当たってきた(そしてジャパンは弾き飛ばされていた)。あれには悔しさで血が逆流しそうだったが、今回のキーウィたちは微妙にずらしつつ突っ込んできたために、やはりタックルはうまく機能しなかった。まだまだ先は長い。

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