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2011年9月18日 (日)

ウェールズ 対 サモア グループ D

 ウェールズ 対 サモア 17-10(6-10) トライ数 1-1

 ウェールズが勝ったことをとりあえず喜んでいるのだが、サモアとの差はそれほどなかった。いくらかでも優位といえたのはスクラム(しかし反則もとられた)、それにバックスの得点力――というか、トライに結び付いたカウンターアタックのスピードくらいだった。ブレークダウンは互角、しかしいわゆる「ワン・パス・クラッシュ」で少しづつ確実に押し込まれて、前半に三、四度、後半も一度トライラインまで追い詰められ、前半終了間際は耐えきれずにトライを許したのだから、負けていてもおかしくなかった。
 たとえばスプリングボクスなら、敵が疲れるか隙を見せるまで攻めさせておいて、ここぞというところでブルッソウらが割と簡単に――と見えてしまう――ボールを奪い、すぐさま外に展開して逆襲するというプランになるだろう。昨日の対フィジー戦がまさにそうしたゲームだった。
 ウェールズはその域まで達してはいない(し、その方向を極めるつもりもないだろう)から、主導権は握ったままで攻めさせるというより、PG で得点を重ねてトライの機会をうかがいつつ、文字通りに耐えることになる。戦略がはっきりしないまま臨んだ前回大会では、フィジーとの壮絶な攻め合いの果てに「自爆」したようなものだったが、今回はその轍は踏まぬよう、確実性に賭け、とにかく耐えに耐えているわけだ。
 まあだから、大会全体としてはつまらない、というか NZ を除いてどのチームも(フィジーでさえ)同じに見えてしまうのでそろそろ飽きてきたというのが正直な感想である。

 サモアは 11 番トゥイランギの存在をちらつかせつつ、ワンパスクラッシュ→ラックのパターンと、展開プレーとを交互に用いて前進を図った。敵ゴール前に迫った回数ではウェールズを圧倒した(22 メートルライン内にいた時間では三倍近い差となっている)し、1.5 倍も多くタックルさせるなど、おそらく意図した通りの攻撃ができたのではないだろうか。
 ウェールズの方は、ラックからのピック&ドライブに、大型プレーヤー(ロバーツ、ノース、ファラタウ、両ロックら)による突進――必ずしもラックを目的とはせず、あわよくばそのまま抜け出て大きくゲインするための――を織り交ぜる。さほど効果的でなかったとすればそれは、ブレークダウンでも展開プレーでもミスが多かった(これはサモアにもいえる)のと、要するに安全第一だったからだろう。

 ウェールズのトライ(65 分くらい)は、ハイパントをキャッチしたあと、三人のタックルを潜り抜けて大きくゲインした FB リー・ハーフペニーから CTB ジョナサン・デイヴィス(!)、WTB シェーン・ウィリアムズとボールをつないだカウンターアタックによるもの。S・ウィリアムズがきちんとサポートしているのが立派というか、当然なのだろうけど、7 点差をつけて漸く勝ちが見えてきた瞬間だった。

 フックに代わって後半から出場したハーフペニー、わたくしは久しぶりに見た。スピードと、レンジの大きなプレースキックが持ち味とされるウィンガーで、シェーンから 11 番ジャージを引き継ぐことになるはずだが、フルバックのバックアップとしても貴重な存在である。というより、ディフェンスを含めていえば、フッキーよりよほど安心して見ていられるプレーヤーだが、180 センチ弱の体格でなぜこのレベルの FB がこなせる――こなせるというのは例えばハイパントを正確に捕球できるというようなことも含めて――のか。あるいはむしろ何故ジャパンにこうした FB が現れないのだろうか? 単純な足の速さ、吉田義人や SH のような俊敏さ、そして力強さ、ロングキック。こう考えると、たいそう恵まれた選手ではあるのだな。

 わたくしはアイランダーズを原則的には応援するが、ウェールズと日本は例外で(いやあ、実は日本も島民なんだけど)、だから全体としては、何とか勝ててやれやれというところである。消耗が激しそうだし、怪我人の具合など心配な点も残るが、プロップのジェンキンスの出場見込みがようやく立ったし、フィジー戦は実に楽しみだ。フィジアンがどのようなゲームをするかも含めて。

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